遺品整理とは?流れや時期、業者を選ぶときの注意点とは
亡くなった方の遺品を整理しなければならないとき、思い出の品々を前に、気持ちの整理をつけられず、なかなか手をつけられない、どのように始めたらいいかわからないと、途方に暮れる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そのような悩みをお持ちのあなたに、遺品整理を始めるときの注意点、そして遺品整理業者に頼むことをお考えなら業者を選ぶときのポイントなどをお伝えいたします。
遺品整理の流れ
遺品整理とは故人の遺した品を整理することですが、「整理」という言葉にはさまざまな意味が込められています。 ここでは、ご自分で行った場合の進め方の流れを解説していきます。
1. 遺品を、残しておくものと処分するものに仕分ける
お亡くなりになった方が遺した物の中には、使用しない大きな家具や電化製品、形見になる思い出の品、価値のある資産、相続人が義務を負う可能性のある負債などさまざまなものが入り混じっています。
これらのさまざまなものを片付けていく作業を遺品整理といいます。部屋ごとに行っていく、まずは全体的に不用品となっているものをどんどん搬出していくなど、やり方はさまざまです。ゴミ屋敷に近ければ、明らかなゴミから処分した方がいいでしょう。故人の家の状況に合わせて進めていきましょう。
残しておくものの例

思い出の品などの残しておきたいものや、価値のある物は、分類別に段ボールに入れておきましょう。
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預金通帳
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有価証券(株券、小切手、債権など)
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貴金属、骨董品、掛け軸、絵画など
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保存状態の良い本
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アルバムなど思い出の品
処分するものの例

もう使えない布団、古くて傷ついた家財道具、古くて危険な電気製品、壊れた農機具、賞味期限の切れた食料品などです。もしかしたら使うかもと思わずに思い切って処分していきましょう。
2. 残しておくものは保管、形見分けをする
残しておくべきものが決まったら、遺産分割協議が終わるまでは、保管しておきましょう。 価値ある貴金属などは遺産分割協議書作成における資産として協議内容に含まれます。 協議の中で形見分けとして分配していきましょう。それまでは勝手に持ち出してはいけません。 リサイクルショップで売ったときは、換価したものとして、相続の現金とします。
3. 処分するもののうち、リサイクル・買取りしてもらえるものとできないものに分ける
貴金属品、金縁メガネ、友禅の着物などは買取りしてもらえます。
そのまま処分してはいけないものがお仏壇ですが、きちんと魂抜きをしてもらえば処分できます。購入したお店で処分料を払えば処分してもらえますし、立派なお仏壇だと買い取ってもらえることもあります。
4. リサイクルできるものは、買い取り、引き取りしてもらう
骨董品や掛け軸などは、迂闊に処分しないで鑑定してもらいましょう。
「我が家に価値のあるものなんてないよ。」と言われる方がいらっしゃいますが、そうとは限りません。実例として、ちょうど家に来た買い取り業者(押し買い)に見せたら「価値がないから処分してあげるよ。」とただ同然で買い取られた品が後々高価なものだったことが分かったということもあります。
普通の方には価値があるのかどうかはわかりません。本などもリサイクルに出すことで、ゴミになってしまうものがお金に代わります。単にゴミとして捨てるよりは、誰かに再利用してもらうほうが故人も喜ぶのではないでしょうか。
骨董品や美術品は、美術館に寄付をするという方法もあります。父母が収集していた美術品を広く一般の方々に公開できますし、最良の保管方法で大切に保管してもらえます。
5. 処分する自治体のルールに従って処分する
都道府県や、市区町村によって分別方法が違いますので注意が必要です。 前もって自治体のホームページ又は窓口で分別の案内表を手に入れましょう。
(参考:横浜市) http://www.city.yokohama.lg.jp/shigen/sub-shimin/dashikata/
気を付ける必要があるのは、家電リサイクル法で決められている電化製品です。 冷蔵庫、テレビ、エアコン、洗濯機の4つは家電リサイクルの対象です。 処分する方法は、主に以下の3つになると思います。
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業者に処分を依頼する。
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郵便局でリサイクル券を取得して自治体で処分する。
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電気屋さんで処分してもらう。
大型ごみで捨てることはできないので注意してください。
遺品整理を行う時期・タイミング
遺品整理を特に急ぐ必要がない場合は、四十九日法要が済んでからがよいでしょう。
四十九日は、亡くなられた方の魂が今生から離れて天国に旅立つ日とされています。また、法要は普段忙しく離れて生活している遺族が集まる機会であることからも、このタイミングで行う方が多いようです。
ただし、 亡くなられた方が賃貸物件に住んでいた場合、そのまま借り続けてはその間の家賃も発生します。その場合はお葬式直後でも良いでしょう。
また、先に述べた遺産分割協議書を作成するために、資産や負債の確定は必須項目です。 思いのほか負債が多かった場合、それが資産を上回っていれば、相続放棄をしなくてはいけないかもしれません。
相続放棄には相続が発生したことを知った日から3ケ月間という期限があり、それを超えてしまうと放棄できなくなります。またその間に遺産を売ってしまった場合、相続放棄ができなくなることも考えられます。遺産整理は早いうちにするべきでしょう。
遺品整理を業者に依頼する場合

急がなくてはいけない事情はあるが、会社は休めない、遠くの実家に長期間滞在できないといった事情のある方などは、遺品整理専門の業者に依頼することがベストです。
遺品整理業者は、忙しいなどの理由で遺品を整理する余裕のない遺族に代わって遺品整理や清掃、原状回復を請け負います。また、孤独死した方の家を特殊清掃も含めて行ってくれる会社もあります。会社によってサービス内容が違いますので、内容を確認の上、業者選びをしましょう。
遺品整理を業者に頼むことのメリット・デメリット
遺品整理業者に頼むメリット
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遺品整理に慣れているプロに頼むことで遺品整理が素早く確実に行える。
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大型家具や、ベッドなどの運び出しや処分が難しいものまでやっていただけることにより、 肉体的にも精神的にも楽になる。
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業者にオプションがあれば、特殊清掃や、原状回復など、個人ではできないことを依頼できる。
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仏壇の閉眼供養などが必要なときは依頼前に確認して供養のサービスがあるところを選ぶことができるため、お坊様の手配がいらない。
遺品整理業者に頼むデメリット
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お金がかかる。
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質の悪い業者を選ぶと必要な物を捨てられたりする。
確かにお金がかかるというデメリットはありますが、自分で遺品整理を行った場合、知人に手伝いを頼むと、謝礼がかかります。また、処分をするにも手続きなど思った以上に時間をとられその分本業に支障をきたすかもしれません。
専門業者に依頼した場合、思いもよらぬものまで買い取りしていただけるなど、一時的にはお金がかかったように見えても、結果的にはお得になる場合があります。
遺品整理業者と、不用品回収業者や便利屋さんとの違い
業者によって差がありますが、単に不用品を回収するだけの業者や便利屋さんと違い、遺品整理業者は遺品整理専門のプロです。
必要な書類の捜索などはもちろん、特に遺品整理士認定協会に加盟している会社なら故人を尊重し、遺品の一つひとつを大切に扱い、依頼主様の心に寄り添った遺品整理をしていただけます。
遺品整理業者を選ぶ時のポイント、注意点
業者選びのポイントの一つとなるのが、古物商資格を持っている会社や、遺品整理士のいる会社です。 遺品整理士は、一般財団法人 遺品整理士認定協会が行っている民間資格です。
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遺品整理・遺品整理業の概念
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遺品整理を行うための注意点・留意点
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過去の事例研究
以上のような講座を受講して勉強し、その後課題を提出して、やっと取得できる資格です。このような向上心のある有資格者がいる企業は、信用できる企業である可能性が高いでしょう。